AI駆動開発で製品改修を試した

背景や目的


Anthropicショック以降、ソフトウェア関連企業のAI活用が盛んになりました。システム開発の現場は、(従来の枠組みに捕らわれつつも)これに素直に取り組む事が大事と思う次第です。

まだ模索段階なので、やり方は様々ありそうですが、今回はPGスキルの無い人でも開発可能か試してみました。とりわけ実際の製品で修正開発をしてみます。
AIによる生産性向上や将来の人材育成等を検討される方のご参考になれば幸いです。

トライアルの方針


実際の開発に近い形で試したいと思います。
1.利用ツール
 コードに強いと報道されるAnthropic Claudeを使います。→公式ページ
 とりわけ、Claude Coworkを使ってみます。
2.開発の種類
 新規開発はおおがかりなので、今回は製品の改修開発をします。
3.ベースのアプリ
 自社製品の管理画面を改修。node.jsベースのコードをコンテナ化しAWS上で動作中です。
4.開発内容
 難易度を変えて確認したく、以下の2つをやってみます。
 【TRY1:表面的な修正】画面内の文言を変更。複数個所の修正を試してみます。簡単かな?
 【TRY2:ロジックの修正】特定入力項目の入力チェック仕様を修正。該当箇所わかるかな?

進め方の案


やってみないと詳細は分かりませんが、このように進めてみます。

1.Claudeの準備
 Claude Coworkが使えるようサインアップ等をし、Claude Desktopをダウンロードします。
2.開発用ファイルの参照設定
 開発フォルダを自分で再確認し、正しい場所をClaudeが参照できるようにします。
3.改修TRY1の実施
 お馴染み?のチャット画面で改修指示をし、最終的に改修ファイルを貰う。合ってるかな?
4.デプロイと動作確認
 自動デプロイはAIの範疇外と考え、ここは手作業でします。差替ファイルを得たら可能です。
 デプロイ後は、要求した事が実現されたか確認します。
5.改修TRY2も実施
 TRY1が上手くできたら、同じ方法でTRY2もやってみます。

1.Claudeの準備


とにかくClaudeを使えるようにします。
・まずはサインアップです。Claudeのサイト(→リンク)にアクセスします。

・最初の画面で、Googleで続けるやメールで続けるを押し、初回登録を進めます。
以下は、私が入力や選択をした値です。ご参考まで。

入力箇所や画面
Verify your phone number070-***-***
*途中確認用でした。ご自身の番号でどうぞ
Join your team[Continue with personal account] を押下
*ご自身の環境でどうぞ
How are you planning ・・・[For personal use]を選択 *ご自身の環境でどうぞ
Plans that grow with you[Use Claude for free]を選択 *まずこれにしました
Help Claude ImproveOFF *モデル学習許容はOFF。ご自身の環境でどうぞ。
・・・what should I call you?ATD *自分の名前です。お好きにどうぞ。

このままでは、CoworkやClaude Codeが使えないので、アップグレードします。
・ログインした画面で「アップグレード」を押し、必要事項を入力します。

ここは、支払方法やカード番号入力以外は、特にありません。最後まで進めましょう。

上の画面が表示されたら、アップグレードは完了です。
Coworkを使うために、デスクトップ環境が必要そうですね。
・この画面で「Windows版をダウンロード」を押します。

上のようにPC内にexeファイルがダウンロードされたら、
・それをダブルクリックします。
自動的にインストールが進み(下図左)、終了すると右下の画面が表示されました。

なお、途中の「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」に対しては「はい」を選択しておきました。

これでClaudeの準備は完了です。次に進みます。

2.開発用ファイルの参照設定


Claudeがベースのコードを参照できるようにします。
まず、自分のPC内の開発環境を再確認しておきます。今回使うアプリはWindowsPC内のWSL/Ubuntuでビルド&コンテナプッシュをしていて、以下の3フォルダで構成されています。

Ubuntu
y-nishihara@PC999:~$ ls |grep jibunbosai_work
jibunbosai_work_api
jibunbosai_work_apri_admin
jibunbosai_work_apri_user

ちなみに、***_apri_userはユーザ向けアプリ、***_apri_adminが管理画面のアプリです。***_apiは両アプリからの要求を処理するAPIです。(再確認完了)

さて、環境の確認が出来たので、Claudeでの参照設定に進みます。
・先程ダウンロードしたClaude Desktopの画面を開きます。

・良くわかりませんが、右下のCoworkを「始めましょう」を押してみました。(上左図)
すると、何か基本設定が始まった様子でした。(上右図)
途中「職業は?」に対して「システム開発」と回答したら、必要なツールを紹介してくれました。(下図)

・そこでは、とにかく「追加」を押しました。(上右図)
すると画面で「追加」が「管理」に変化しました。(下左図)
システム開発に必要なツールが用意された、という事か・・。とりあえずそう理解しました。
・先に進めたく「Engineeringを追加しました。今回はConnectorは使わず、ローカルフォルダのNode.jsアプリ改修を試したいです。次に進めてください。」と入力してみました。

進捗状況欄が3個目まで進みました!済になりました。(上右図)
そしてClaudeは「どれか試してみて」と言ってるので、進行状況4″Helping try a skill”が済になる事を期待しつつ、
・表示された/code-reviewの「試してみる」を押してみました。(下左図)

押したら、入力欄上部に /code-review が表示されました。(上右図)
・少し説明を加えた方が良いと思い、2行目に以下を追記しました。
「まずローカルフォルダ参照の接続確認だけしたいです。全体レビューは不要です。このアプリの概要を3行位で説明して貰えれば、今はそれで結構です。修正はしないでください。」

・文を追記した後に矢印を押しました。(上左図)
そうしたら、フォルダ選択のボタンが出現しました。期待通りでした。(上右図)
・そのフォルダ選択ボタンを押しますと、

フォルダが選択できる画面が出てきましたね。(上左図)
・そこで、意中のフォルダ(jibunbosai_work_apri_admin)を指定すると、
カタカタ・・と参照され、コード解析がされましたー!(上右図)
出力されたコード概要の文も妥当な内容でした。合ってますね。

残っている進行状況5″Wrap up”を済にしたくて、
・「進行状況5″Wrap up”を完了にしてよければ、して下さい。」を入力しました。
結果は以下の通りです。

進行状況では済にならないのですが、「完了だ!」とおっしゃるので、おしまいにします。

システム開発用ツールのセットアップがメインになった感じでしたが、流れの中で開発用ファイルの参照が出来る事を確認できました。次はいよいよ改修です。

3.改修TRY1の実施


トライアルの方針で記載した通り、ここでは画面内の文言修正をしてみます。
具体的には、下図の (月単位) を消去する修正をしてもらいます。

人が軽く画面でみたレベルで、対象箇所は上の2箇所あります。

さて、早速修正に入ります。
Claudeを開き、プロジェクト作成をしておきましょう。
・Claudeを起動し +New project を押し、新規作成 を選択します。

・各項目を入力する画面では、下表の値を入力し、作成しました。

入力項目
名前AI駆動開発検証_管理画面改修 *任意の名称です
手順Node.jsベースの既存アプリを改修します。
修正前に、対象ファイル・修正方針・影響範囲を説明してください。
承認後にコード修正を行ってください。
認証情報、APIキー、DB接続情報などの秘密情報は参照・変更しないでください。
*いわゆるsystem promptかな、と考えこうしました。
ファイルを追加(変更無し)
プロジェクトの場所を選択(変更無し)*改修アプリのパスは別で指定します

作成すると、以下の画面が表示されました。ここから改修指示を出してゆきます。

・入力欄に以下をまず入力しました。改修の指示です。

既存アプリの改修をしてください。
まず、対象のソースコードを参照してください。パスは以下のとおりです。
\wsl.localhost\Ubuntu\home\y-nishihara\jibunbosai_work_apri_admin
修正内容は以下の通りです。
・画面内の「(月単位)」を削除する。
・対象箇所は複数箇所あり、全て対応する。
進め方は以下の通りです。
・いきなり修正はせず、開発フォルダを参照して対象ファイルを特定し、それをまず報告する。
・その報告内容に対して、私がファイル修正を許可した後に修正をする。
・修正後は、改めて変更したファイル名とその変更内容を報告する。

入力すると、開発フォルダにアクセス出来ない、と言われました。

・許可の求めがあり、まずそれを押しました。(下図)

UNCパスが原因でダメ、と言っていますね。(下左図)
うーん。先ほど試した時には参照出来ていたのですが、謎ですね。。
直接参照は諦めて、Coworkの基本的な参照場所にコードを置く事にします。
・自動で出てきた選択肢の「現在のプロジェクトフォルダに配置」を押し、(下右図)

・自分のPC内では、以下のように開発フォルダをコピーしておきます。

Ubuntu
y-nishihara@PC999:~$ cp -r ./jibunbosai_work_apri_admin/ "/mnt/c/Users/nishihara/Documents/Claude/Projects/AI駆動開発検証_管理画面改修/"
y-nishihara@PC999:~$ ls "/mnt/c/Users/nishihara/Documents/Claude/Projects/AI駆動開発検証_管理画面改修/"
jibunbosai_work_apri_admin
y-nishihara@PC999:~$

・そして、Coworkの画面に戻り、以下を入力しました。

対象のソースコードを以下の場所にコピーしました。
[本プロジェクトのフォルダ]/jibunbosai_work_apri_admin
作業を再開できますか?

すると、改修の作業が再開されましたね。様子は下図の通りです。

該当箇所2、対象ファイル1、と言ってます。はい妥当です。

修正方針、影響範囲、も特に驚くような事は無いですね。
承認を伝えたら修正するよ、と言っているので、
・修正ファイルを貰うべく、以下を入力してみます。

その修正方針を承認します。修正ファイルを下さい。
ファイルをどのように入手すれば良いか、も教えて下さい。

入力後、修正が始まりました。画面内で色々と動きがあって、良い感じです。

そして、あっと言う間に終わりました。下図は完了報告の様子です。

先ほどコピーしたファイルを直接修正したよ、との事なので、そのファイルを開発環境へもっていって、デプロイしてみます。

4.デプロイと動作確認


Coworkの修正が期待通りかどうか、確認したいと思います。

今回のアプリはAWSのコンテナ実行環境で動作するので、ローカルでまずビルドします。
・Coworkから貰った修正ファイルをビルド環境にセットします。

Ubuntu
y-nishihara@PC999:~/jibunbosai_work_apri_admin/app/point_settings$ mv ./page.tsx page.tsx.bak20260513
y-nishihara@PC999:~/jibunbosai_work_apri_admin/app/point_settings$ cp "/mnt/c/Users/nishihara/Documents/Claude/Projects/AI駆動開発検証_管理画面改修/jibunbosai_work_apri_admin/app/point_settings/page.tsx" /home/y-nishihara/jibunbosai_work_apri_admin/app/point_settings/page.tsx
y-nishihara@PC999:~/jibunbosai_work_apri_admin/app/point_settings$ ls -la |grep page.tsx
-rwxr-xr-x  1 y-nishihara y-nishihara 27156 May 13 12:03 page.tsx
-rw-r--r--  1 y-nishihara y-nishihara 27186 Aug 12  2025 page.tsx.bak20260513
y-nishihara@PC999:~/jibunbosai_work_apri_admin/app/point_settings$

・後は詳細を省きますが、最後にプッシュをしました。

Ubuntu
y-nishihara@PC999:~/jibunbosai_work_apri_admin$ docker push ***.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/jibunbousai-apri-admin:latest
The push refers to repository [***.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/jibunbousai-apri-admin]
86491a076010: Pushed
・・・略
689195d1c9ad: Pushed
418dccb7d85a: Layer already exists
latest: digest: sha256:*** size: 2410
y-nishihara@PC999:~/jibunbosai_work_apri_admin$

プッシュ成功です。

さあ、管理画面を開いてみます。直ったかな、、

はい。期待通り (月単位) が消えましたね。成功です。

5.TRY2(ロジック修正)も実施


ちょっと簡単すぎたかもなので、今度はそこにある入力欄「新しい交換上限」の、入力チェックロジックを修正してみます。

TRY1で作成した同じプロジェクト内の別の話題(項目?)で、指示してゆきます。

・TRY1でわかった事も踏まえて、今度は以下を入力します。TRY2の改修指示です。

先程と同じように、既存アプリの改修をお願いします。
対象のソースコードは、本プロジェクトのフォルダ内の以下の2つのディレクトリに収容されています。
1. 管理画面フロント
[本プロジェクトのフォルダ]/jibunbosai_work_apri_admin
2. API
[本プロジェクトのフォルダ]/jibunbosai_work_api

修正内容は以下の通りです。
・画面内の入力項目「新しい交換上限」の入力チェックとして、100未満を受理しない処理を追加する。
・該当時には、画面上で「100円以上の金額を入力して下さい。」を表示する。

進め方は以下の通りです。
・いきなり修正はせず、開発フォルダを参照して対象ファイルを特定し、それをまず報告する。
・その報告内容に対して、私がファイル修正を許可した後に修正をする。
・修正後は、改めて変更したファイル名とその変更内容を報告する。

・上記 2.API のセットが未だなので、先ほどと同様にセットしておきます。(実際は先にコレをしておきました。)

Ubuntu
y-nishihara@PC999:~$ cp -r ./jibunbosai_work_api/ "/mnt/c/Users/nishihara/Documents/Claude/Projects/AI駆動開発検証_管理画面改修/"
y-nishihara@PC999:~$ ls "/mnt/c/Users/nishihara/Documents/Claude/Projects/AI駆動開発検証_管理画面改修/"
jibunbosai_work_api  jibunbosai_work_apri_admin
y-nishihara@PC999:~$

改修指示を出したら、1分位で改修方針が出てきました。速いですね。

要るかもと思っていたAPIは、修正不要!との事ですね。頼もしい。
修正内容は、細々と出力されています。


内容に齟齬は無いので、とにかく進めてみます。
・言われた通りに、修正実行をお願いする入力をします。

その修正方針を承認します。修正ファイルを下さい。
ファイルをどのように入手すれば良いか、も教えて下さい。

しばらくして、修正報告が表示されました。これも1分以内。速いですね。

上に表示内容の一部を添付しました。
修正ファイルを2本得たはずなので、とにかくそれを使ってデプロイし、動作確認をします。

結果は、こちらです。まず、初期状態の見た目は問題無しですね。

・入力してみますと、

おっ、エラーメッセージが赤字で表示されましたね!いいですね。
・ボタンを押そうと、マウスオンしてみると、、
マウスの形が侵入禁止マークが変わり、押せません。 OKです!

ロジックの修正も、出来ました。

AI駆動開発をやってみてわかった事


Claude Coworkを触ってみて色々と分かりました。少し整理します。

1.ソースコードを参照させる事
・参照させるための初期設定のようなものは特に無し。
・プロジェクト毎のフォルダが1つ存在していて、そこに置けば参照可能。
・参照可能になっていれば、GPTと同じように扱われていそう。
2.改修指示について
・割と丁寧に出したが、伝わっている。
3.開発実行の精度
・今回は既存PGの修正をしたが、改修なら本番でも問題無いレベルでやれそう。
4.本番で使う事を想像して気になる事(課題)
・要件レベルの会話からやる場合、その会話スキルは必要かも。
・新規開発等で、実現する機能数が多い場合、仕様に落とすための指示や会話で時間がかかるかも。
・デプロイする人間(エンジニア)も、代替できるのだろうか。
・エンジニア以外の人だけで、最後まで出来るのだろうか。
・試験はどうやるのだろうか。設計書や試験仕様書は不要なのか。

まとめ


PGスキルの無い人でも開発が可能か、という観点でAI駆動開発をとにかくやってみました。
そして、やって欲しい修正は見事にやって頂きました。Claude Coworkさんに。素敵です。

生産性向上の実利が、上で書かせて頂いた課題をクリアした先にあると思うと、とにかく使い倒す事が大事なのだろう、と改めて強く思いました。

次は新規開発やもう少し大きな改修を試してみます。参考にして頂けそうな情報はまたご紹介いたします。お読み頂きましてありがとうございました!

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